「新聞(本や論文、雑誌)の記事をスキャンして社内メールで回覧する」
皆さんの会社では当たり前のように行われていませんか?
しかし実は、この行為は著作権法上、問題となる場合があります。
では、
- 新聞を切り抜いて壁に貼る
- コピーして配る
- 社内チャットに投稿する
- URLを共有する
これらはどうなのでしょうか?
今回は、実際によくあるケースを例に解説します。
目次
著作権で問題になるのは「複製」と「公衆送信」
新聞記事には著作権があります。
そのため、著作権者の許可なく
- コピーする
- スキャンする
- コピーやスキャンデータをメールで送る
- 社内ネットワークに掲載する
などは原則としてできません。
つまり、「社内だから自由に使える」というわけではありません。
※もちろんSNS投稿もだめですよ。
ケース① 新聞をスキャンして社内メールで送る
❌ 原則NG
これは
- 新聞をスキャンする
- PDF化する
- メールで他の社員へ送る
という行為になります。
スキャンの時点で複製権に関わり、メールなどで社員が閲覧できる状態にすることは、
公衆送信権(送信可能化権)に関わるため、原則として権利者の許諾が必要です。
ケース② コピーして配布する
❌ 原則NG
会議資料として
10人分コピー
50人分コピー
これも複製になります。
「社内だから大丈夫」
ではありません。
ケース③ 記事を切り抜いて掲示板に貼る
❌ 原則NG
新聞そのものを一部切り抜き、
会社の掲示板へ貼るケースです。
コピーではありませんが、
不特定の社員が継続的に閲覧できる状態になるため、
著作権上問題となる可能性があります。
会社の利用目的や掲示方法によって評価が分かれることもありますが、「社内掲示だから必ず適法」とは言えません。
ケース④ 新聞を回覧する
〇 基本的にはOK
新聞そのものを
「読み終わったら次の人へ」
と回覧するだけなら、
複製していません。
購入した新聞を順番に読むこと自体は、通常は問題ありません。
ケース⑤ 新聞記事のURLを送る
〇 OK
例えば新聞社のWeb記事のURLを
「この記事面白かったです。」
と共有するだけなら、
記事を複製していません。
リンクを共有するだけであれば、著作権侵害にはなりません。
ケース⑥ 記事の内容を自分の言葉で要約する
〇 OK
例えば
○○新聞によると、新しい橋梁技術が開発されたそうです。
このように、
自分の言葉で要約して紹介することは、
通常は著作権侵害にはなりません。
ただし、
文章をそのまま写したり、
特徴的な表現まで真似すると引用・複製になる可能性があります。
ケース⑦ 記事を社内チャット(Teams・Slackなど)に貼る
❌ 原則NG
記事を
- スクリーンショット
- 写真
などで投稿すると、
複製に当たります。
一方、
URLだけを共有するなら通常は問題ありません。
ケース⑧ AIに新聞記事を入力して要約してもらう
△ 注意が必要
新聞記事をそのままAIサービスへ入力する場合は、
利用するAIサービスの利用規約や契約内容に加え、著作権上の取り扱いにも注意が必要です。
社外のAIサービスへ記事全文を送信することは、情報管理の観点でも問題になる場合があります。
会社のルールも必ず確認しましょう。
| ケース | 原則 |
|---|---|
| 新聞をスキャンしてメール送信 | ❌ NG |
| コピーして配布 | ❌ NG |
| Teams・Slackへ画像投稿 | ❌ NG |
| 記事を切り抜いて掲示 | ❌ NG |
| URLを共有 | 〇 OK |
| 自分の言葉で要約 | 〇 OK |
| 新聞を順番に回覧 | 〇 OK |
| AIへ全文入力 | △ 注意が必要 |
よくある誤解
「社内利用だから大丈夫」
これは著作権法では必ずしも正しくありません。
社内であっても、
- コピーする
- スキャンする
- 配布する
といった行為は、著作権者の権利に関わる場合があります。
一方で、
新聞そのものを回覧したり、
記事を紹介するためにURLを共有したり、
自分の言葉で内容を説明したりすることは、一般的には問題になりにくい方法です。
まとめ
新聞記事には著作権があります。
そのため、「社内だから自由に使える」と考えるのではなく、どのような利用が複製や送信に当たるのかを理解することが大切です。
迷ったときは次のように考えると判断しやすくなります。
- 記事そのものを増やして配る → NG
- 記事そのものをネットワークで共有する → NG
- 新聞そのものを回覧する → 基本的にOK
- URLや自分の言葉で紹介する → 基本的にOK
著作権はクリエイターを守るための大切なルールです。日常業務で何気なく行っている情報共有が問題にならないよう、正しい知識を身につけておきましょう。
※本記事は著作権法の一般的な考え方を解説したものです。個別の事案では利用態様や契約内容などにより結論が異なる場合があります。
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