モンテッソーリ教育とはご存じでしょうか。
20世紀初頭、イタリアのマリア・モンテッソーリ氏によって考案された教育法です。
子どもの身体・情緒・認知・社会性の発達を目指すものです。
子どもが主体的に学んでいくことを大切にしています。
ここで基本的なモンテッソーリ教育考えを示します。
- 6歳までに人生で必要な80パーセントの能力が備わるので大切な時期である
- 3歳までは無意識的記憶のため全てを吸収する一番大切な時期
この時期に親がするべきことは
少し環境を整えて少し手助けをするだけです
変に気を張らなくていいのです。
でもポイントを押さえないと、子どもの成長の機会を奪う行動をしてしまうかもしれません。
目次
生後8週間までの時期
この時期は母子共生期といって、大切な時期です。
母親と赤ちゃんが二人で一人のように一緒に過ごすことで、愛情を育み、育児へのストレス軽減につながるそうです。
赤ちゃんにとっても”この世で安心できる場所”を見つけることができます。
母親の体はホルモンバランスの崩れなどで体調が悪くなりやすいので家族のサポートが必須となります。
もし育休が取れなくても、早く帰ったり有給を取ったり、ホームヘルパー等を利用して母子の時間を大切に過ごせるように必ずサポートしましょう。
実家や親戚などが近く、頼れる場合は頼りましょう。
また、無意識的記憶の中の赤ちゃんにとっては環境が大切です。
環境がいつもと違うだけで、赤ちゃんはものすごいストレスを感じ不快な思いをするため、同じような環境で同じ物を使うのが良いでしょう。
まとめ
- 母親と赤ちゃんがゆっくり過ごせるようにサポートする
- 母親の体をいたわる
- 父親は家族への時間に注力する
- 家の環境を整えていつものスタイルを確立させる
2ヶ月頃から1歳までの時期
子どもの発達に合わせたおもちゃを随時与えるようにします。
2ヶ月頃
この時期からぼんやりと目が見えるようになるので、ベビージムなど吊り下げるタイプのおもちゃや細い持ち手のガラガラなどが良いです。
近くの興味深いものがあればじっと見つめるので、色々試してみるのも良いでしょう。
3〜4ヶ月頃
握りやすいものを掴み、振ることもできるのでガラガラがオススメ。また、動くものを目で追うようになるので動きのあるおもちゃを与え、音や声で感覚を刺激してあげるのも良いです。
4〜6ヶ月頃
首がすわり、下半身の運動を覚えます。欲しいものに手を伸ばして掴み、舐めて情報を得ます。
探究心が盛んになる時期なので外を散歩をしたり関心のあるおもちゃを持たりさせてあげます。
また、興味のあるおもちゃを子ども自身に選ばせて、「選ぶ」練習をしても良いでしょう。
6〜8ヶ月頃
おもちゃを見つけると目で確認して手を伸ばして舐めて確認します。積み木やボールなど手を使うおもちゃが良いですが、誤飲しないようなものを選びましょう。
興味があるものへのアピールが出てきますので、「ダメ」と言わないで済むような環境づくりをしておきます。
また、音楽や歌で喜んだりするのでオススメです。
9ヶ月〜1歳
自由自在に動き回るので「ダメ」と言わないで済む更なる環境作りが大切です。
引出しの中の物を出して散らかします。それ自体が楽しいからです。
出したり入れたり落としたりイタズラに見える遊び方が目立ち出しますが、邪魔はしないようにしましょう。
好奇心旺盛で外遊びが大好きになるので、ぜひ連れ出しましょう。
まとめ
- 成長に合ったおもちゃを随時入れ替えて与える
- 6ヶ月くらいになったら本人におもちゃを選ばせる
- 「ダメ」と言わないで済む環境づくりをする
- イタズラに見えても遊びなので、遊びの邪魔をしないこと
- 外に連れ出して刺激を与える
1歳〜2歳まで
この時期は運動の敏感期と呼ばれます。
同時に自己肯定感が高まる時期でもあります。
ここで言う運動はほとんどイタズラに見えてしまうことが多いです。
例えばTVリモコンを押しまくったり、ティッシュを出しまくったり、水をこぼして手で広げたり、箱の中身を出して散らかしたり。
これは神様からの宿題と言われるほど子どもにとっては大切なことなので、邪魔をしないようにしたいですね。
また、この時期の行動として歩く・道具を握り使いこなすことを覚えます。
歩く
子どもの歩く速度は遅いため、ついベビーカーに乗せたくなってしまいます。
ですが、子どもは歩くために歩くので、そこはぐっとこらえてたくさん歩かせてあげましょう。
道具を握り使いこなす
道具を使いこなすために必要な運動として以下のようなものがあります。
落とす、入れる、通す、つまむ、挟む、ひねる、ねじる、開ける
市販のおもちゃも良いですが、100均などにも売っている日用品で代用できます。
また、この時期に合ったおもちゃを厳選して棚などに並べて置いてあげると良いです。
雑多に置かず、遊んだら元に戻すことも教えておきたいですね。
遊ぶおもちゃは自分で選ばせてあげます。
自分で選んだ物で楽しく過ごせたとか成功体験を積むことで自己肯定感が高まりますし、これを選んで失敗したと感じることで責任感も学ぶことが期待できます。何より、主体的に物事を進めていく能力が自然に身についていきます。
子どもが遊んでいる姿を見て、もどかしくなる時もあると思います。
でもその時に、急かしたり、代わりにやったり、先回りしたり、やめさせたり、ほったらかしにすることはしないようにしましょう。子どもの楽しみを奪い、成長の機会を逃すことになるからです。ただ見守り、求められたらヒントを与えるようにします。
もちろんですが、危険な時は即中断させましょう。
まとめ
- イタズラのような行動でも成長の種であるので心ゆくまでやらせる
- 子どもは歩くために歩く
- 道具を使うための運動をさせる
- おもちゃは整理整頓し、子ども自身に選ばせる
- 遊びには口出しせず、見守ること
2〜3歳まで
この時期の主なイベントは、母子分離・トイレトレーニングです。
また、できることが増えてくるので家事の手伝いをしてもらうことで自己肯定感が高まります。
食器の準備や、水の分量など食事の準備が特にオススメです!
母子分離
子どもにとって、親の姿が少し見えなくなっただけでも、永遠にいなくなってしまったように感じてしまいます。
ですから、必ず戻ってくることをわからせるために、いなくなっては戻るを繰り返します。その時に「何をするからいなくなる」を伝えると理解も早いようです。初めは間隔を短く、だんだん間隔を長くしていきます。
トイレトレーニング
全てに言えますが、他の子と比べたりしないで気長に待つことが大切です。
ここで絶対にやってはいけないのは、恐怖心を与えること、急かすこと、強制的にさせることです。
トイレのドアを開けっ放しにしてあげるとか、踏み台を設置するなどトイレに行きやすい環境を作ってあげるようにしましょう。
また、オムツかパンツかを子ども自身に選ばせてあげることで、失敗しても自分で決めたことだからと納得できるようです。パンツを選んでトイレが上手くいけば自分の力で成功したんだという気持ちが高まります。
まとめ
- 大人の手伝いをさせて自己肯定感を高める
- 親と離れるトレーニングをする
- トイレトレーニングでも急かさず、強制しないこと
- 子どもに選択権を与えること
ここまでで共通して言えることは、子どもを一人の人間として扱い、自主性を尊重していることです。
子どもは自分の思い通りに動くと勘違いしないようにしたいですね。
子どもを人間として認めつつ、まだ成長過程であるから見守り、手助けをするというスタンスでいれば大きな間違いはないのではないかと思います。
社会人として大切なことも子育てを通して理解できます。会社では新人を育てたり、上司やお客さんを通して自分が育てられたりします。その時にもこの基本スタンスがあれば大きな間違いなく進むことができるはずです。
最後に伝えたいことがあります。夫は育児に「協力」するのではなく、”積極的に”「参加」するという気持ちでいるべきです。そこを間違えると夫婦間の信頼関係も危うくなってしまう場合があるので。
参考文献:
0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす! 写真とイラストでよくわかる! (単行本) [ 藤崎 達宏 ]