図面に何気なく書いているけど、なんだろうと疑問に思ったことはありませんか。
機械図面でよく見かける
Ra 3.2、Ra 1.6、Ra 0.8 といった表記。
なんとなく
「数字が小さいほどツルツル」
という理解で使っていませんか?(私はそうでした)
本記事では、Raの正確な意味・使いどころ・注意点を解説します。
目次
Raとは何か?(一言でいうと)
Ra(算術平均粗さ)とは、
表面の凹凸の高さを平均した値
を表す指標です。
単位は μm(マイクロメートル) で、数値が小さいほど表面は滑らかになります。
下図は表面のイメージです。

なぜRaが使われるのか?
表面の凹凸は非常に不規則で、「一番高い山」や「一番深い谷」だけを見ても
表面の状態は評価できません。
そこで、凹凸を基準線から上下に測り、その絶対値を平均した
扱いやすい代表値として使われているのがRaです。
「表面の平均的な粗さ」を示す指標と考えると理解しやすいです。
図面でよく使われるRaの目安
| Ra (μm) | 加工方法の例 | 用途イメージ |
|---|---|---|
| 12.5 | ガス切断+グラインダ、フライス粗加工 | 一般構造部 |
| 6.3 | フライス加工 | 架台、ブラケット |
| 3.2 | 仕上げフライス | 一般機械部品 |
| 1.6 | 研削加工 | 摺動部、嵌合部 |
| 0.8以下 | 鏡面加工 | シール部、精密部品 |
※あくまで目安です。
Raが重要になる理由(設計視点)
① 摩擦・摩耗に影響する
Raが大きいと
- 初期摩耗が増える
- 焼付きやかじりが起きやすい
特に摺動部・軸受部では重要です。
② 密封性に影響する
Oリングやガスケットが接触する面で
Raが粗すぎると、
- 漏れ
- シール寿命低下
につながります。
③ 見た目・品質評価に影響する
見た目が重要な部品では、Raが品質の印象を左右します
「Raだけ指定すれば安心」は危険?
実はRaだけでは表面状態を完全には表せません。
例えば…
同じRaでも「山が丸い」「山が鋭い」
では摩耗特性が大きく異なります。
なので、高負荷・摺動用途では
Rz(最大高さ粗さ)などを併記する場合もあります。
よくある設計ミス
不要に小さいRaを指定
- 加工費が急激に上がる
- 納期が延びる
- 本来不要な精度(加工者に余計な仕事をさせてしまう)
全面にRaを指定
- 図面が読みにくい
- 加工側が困る
「必要な面だけ」指定が基本です。
機械設計者としてのRaの考え方
設計では、
「なぜこの面にこのRaが必要なのか」
を説明できることが重要です。
- 摺動する → Raを下げる
- 接触しない → Raを厳しくしない
- 見せる部品 → 外観重視の場合はRaを下げる
機能とコストのバランスで指定するのが良い設計です。
まとめ
- Raは「表面の平均的な粗さ」を示す指標
- 数字が小さいほど滑らか
- 摩擦・摩耗・密封性・外観に影響する
- 指定しすぎはコスト増の原因
Raを理解することは、
「加工を理解した設計者」になるために必要です。
また、機械設計者のバイブル本も必ず持っておきましょう!↓↓
他にも機械設計に役立つ情報をこちらでまとめていますのでよかったらご参照ください。